以前レビューした、「難しいことはわかりませんが、 お金の増やし方教えて下さい!」が読みやすくて、 とても参考になったので、またこのシリーズを読んでみました。
突然ですが・・・
あなたは『死ぬ覚悟』ってできてますか?
もしも今日、死ぬ事になってしまっても
「わりぃ、俺死んだ」
と、あの超有名な海賊みたいに、 死を受け入れて笑えるでしょうか・・・
僕は無理です。
もしかしたら、死んだ後に自爆霊になってしまうかも・・・。
僕は死ぬのが怖い
ここ最近、息子や娘に水泳やサッカーを教えたり、 一緒にゲームをやったり、勉強を教えたり、 毎晩一緒に風呂に入って、一緒に寝ています。
はっきり言って
自分の貴重な時間を犠牲にして、 やりたい事が全然進まずに子供のリズムに合わせて生活する事は、 かなりのストレスです。
でも、実は・・・
- 子供との絆がめっちゃくちゃ深まる
- 子供との会話も凄く増える
- 毎日、子供の寝顔に癒やされる
- ほんの僅かな子供の成長がたまらなくうれしい
といった『親としての幸せ』を感じさせてくれる「 かけがえのない時間」だったりもします。
『世話の焼ける大親友のような息子』と『 わがままな恋人のような娘』 の成長をこの先もずーっと見ていたい。
だから
「突然死ぬ」とか、死んでも無理。
そして、もし僕が死んだら、 その先に家族がどうなってしまうのか、 恐ろし過ぎて考えたくもないです。
・・・怖いよね、死ぬの。
(エンマ大王に何言われるかわかんないし)
がんは、他人事ではない
がんになったらからといって
「突然死ぬ」
って事はあまり無いと思いますが・・・
日本人の死因第1位は『がん』です。
「いつかはなってしまうかもしれないけど、まだ大丈夫でしょ」
「なる時はなるんだから、ジタバタしてもしょうがない」
「とにかく今は、怖いから考えたくない」
今までこんな風に考えていた僕ですが・・・
現在、日本人の2人に1人が「がん」にかかり、3人に1人が「 がん」で死亡しているという事実を知りました。
ここまでくると、もはや他人事ではありません。
「がんを知る事で、自分と家族の人生をしっかりと考えよう」
そんな気持ちでこの本を読み始めました。
著者について
水上治(みずかみ・おさむ)さん
1948年北海道生まれ。
弘前大学医学部卒業後、 都内の総合病院に内科医として勤務しつつ、 東京医科歯科大学で研究、医学博士。
米国ロマリンダ大学で予防医学を研究、公衆衛生学博士。
東京衛生病院で、予防教育、人間ドック、がん医療を実践。
2007年都心に健康増進クリニック開業。
9割はがん患者で、世界の広範な医学情報を駆使しつつ、 徹頭徹尾患者側に立つ医療を展開中。
大橋弘祐(おおはし・こうすけ)さん
立教大学理学部卒。
大手通信会社の広報、マーケティング職を経て、作家、 編集者として活躍中。
本書の概要
今回も他のシリーズ作と同様に、 難しいことがわからない大橋さんが、 その道のスペシャリストである水上治先生に、 僕達が知りたい事をガンガン質問していく会話スタイルです。
- そもそもがんとはどんな病気なのか
- 何をしたら予防になるのか
- どのような検診を受ければ「がん」を見つける事ができるのか
- がんになったらどこでどんな治療を受ければいいのか
- どんな医者が良くて、どんな医者がダメなのか
・・・などなど
知識に乏しい人にでも、理解しやすい言葉(専門用語無し) で解説してくれています。
また、
- 基礎知識編
- 予防編
- 検診編
- 告知編
- 治療選択編
- 治療編
といった感じで、段階的に構成されている事で、 内容が頭に入ってきやすく、 医療系なのに読みやすい本に仕上がっています。
- がんについての知識が全く無い人
- がんについて、目をそむけてきた人
- とにかく長生きしたい人
- どんな「がん検診」を受ければいいかわからない人
- がんと診断されてしまい、治療方法を模索している人
こんな人にはオススメできると思います。
気になったポイント
がんは「分裂をやめない細胞」
人間の細胞は60兆もあって、それぞれが5回もコピーするから、人間の体をトータルでみたらものすごい数の細胞分裂をしているこ とになる。 それだけコピーを繰り返しているから、なかにはミスをしてしまい、うまくコピーできないときがある。 それががん細胞の元。そのミスは1日に5000個あると言われている。ただ、ミスしたらその細胞は修復されたり、死んでしまったりする。 それでも残ってしまったら、リンパ球という細胞が殺して、がん細胞を残さないようにできている。 でも、ごくまれにその網をかいくぐって、処理できない細胞がある。 それが、増殖を続ける『がん』という病気になっていく。
リンパ球の働きがキモになる訳ですね。
どうやら、喫煙や睡眠不足、 栄養バランスなどが悪いとリンパ球の働きが悪くなるようです。
生活習慣、めっちゃ大事です。
食べる量を抑えたほうがいいのは、「肉」と「塩」
もともと、日本人には肉を食べる習慣はなかった。ところが食生活の欧米化が進んで、肉を食べる人が増えた。でも、日本人の体は欧米人と違って肉を消化しづらい。だから近年、大腸がんになる日本人が増えている。男性だと肺がん、胃がんに続いて3位だし、女性は1位だからね。ちなみに乳がん、前立腺がんも増加傾向にあって、これも食生活の欧米化が要因と言われている。
塩分を取りすぎると胃がんになるリスクが上がる。和食はバランスが取れていて非常に健康的なんだけど、唯一の欠点は塩分が多いこと。 日本人は世界的に見ても塩分をかなり多く摂るから、胃がんになる人が多い。 逆にアメリカ人は塩分をあまり摂らないから胃がんがほとんどいない。
肉と塩、まるで翼君と岬君のようなゴールデンコンビですが、控えめにしないとですね。
あの超有名な海賊、いつも肉ばっかり食たべてるけど大丈夫かな。
ちなみに塩は腎臓にも悪いですからね・・・気をつけましょう。
※食べては「ダメ」では無く、食べ過ぎに注意ですからね
がん予防に良い食品は「にんにく」と「きのこ」それと「 コーヒー」?
アメリカの国立がん研究所が、国家予算2000万ドルをかけて、
がん予防に効く植物性の食品を調査したプロジェクトがあったんだ けど、その調査で、1番重要度が大きいのは『にんにく』 という結果がでた。
長野県はきのこの生産が多く、がんで死亡する人の割合が少なかった。 きのこの栽培農家では、通常に比べてがんにかかる率が半分だった。 ベータグルタンという物質が免疫をあげると言われている。
1日に5杯以上コーヒーを飲むと肝臓がんのリスクが76%
下がるという国立がん研究センターの調査があった。
にんにく、きのこは、よく食べますが、 これからも沢山食べようかな。
でも少し前に「コーヒーは発がん性がある」 ってニュースを見た気がするけど・・・
どないやねん。
でもね、にんにくやきのこだけ食べて、コーヒーを飲んでいればいいというのもではない。 テレビで放送されている断片的な情報に惑わされちゃだめだからね。 とにかくバランスのいい食生活が基本だからね。
な、なるほど・・・
本当は上記以外にも、紹介したい事は山ほどありますが、 きりがないのでこの辺で・・・
がんの基本的な知識から予防、検診など本当に『目から鱗』 な情報が多くありました。
ちなみに、水上先生おすすめのがん検診はこちらです。
※がんの種類・検査・頻度・金額の順にまとめてあります
【総合】
肺がん | 胸部CT検査 | 1回/1年 | 1~1.5万円 |
---|---|---|---|
胃がん・食道がん | 上部内視鏡検査 | 1回/1年 | 1.5~3万円 |
大腸がん | 下部内視鏡検査 | 1回/1年 | 1.5~2万円 |
肝臓・胆のう・すい臓・腎臓がん | 超音波検査(エコー) | 1回/1年 | 3000~5000円 |
前立腺がん | PSA検査 | 1回/1年 | 2000~4000円 |
【婦人科】
子宮頸がん | 細胞診 | 1回/2年 | 3000~6000円 |
---|---|---|---|
乳がん | 乳房超音波検査 | 1回/1年 | 3000~5000円 |
【ウィルス・菌】
胃がん | ピロリ菌検査 | 1回/1生 | 3000~5000円 |
---|---|---|---|
肝臓がん | 肝炎ウイルス | 1回/1生 | 3000円 |
子宮頸がん | HPV検査 | 1回/2年 | 5000円 |
また、水上先生の「徹頭徹尾、患者側に立つ医療」 が、本書でも至るところで垣間見る事ができます。
もしも「がん」になってしまったら、 絶対にこんな先生に見てもらいたいと僕は思いました。
まとめ
残念な事に、先日また1つ歳をとり、 もう39歳になってしまいました。
(おっさんの完全体なのだ)
人生の折返し地点(くらいかな)に立ち、 今まで目をそらしてきた「がん」を少しだけ勉強してみました。
会社の健康診断では異常がなく、ヘラヘラしていた僕ですが、 この本を読んで今後の食生活や生活習慣を見直してみようと決意し ました。
また、自分の為にも家族の為にも近い将来、 人間ドックを受けてみようと思います。
もしも、がんについて知りたいという人がいたら、 是非本屋さんで手に取って立ち読みしてみてください。
本当に読みやすいので、とてもオススメですよ。