セキスイハイムの家に住み始めてから2年が経ちました。
我が家では『快適エアリー』(全館空調)を採用しましたが「必要なかった」と後悔しています。
なぜ「必要ない」と思ったのかを少し整理していきますので、興味があればお付き合いください。
なお、セキスイハイム以外でも『全館空調』を採用しているハウスメーカーは沢山あるので、
- これから家を建てる人
- 全館空調を採用するか迷っている人
- 家づくりに後悔したくない人
こんな人には、家づくりのヒントになると思います。
また、終盤に『僕が思う全館空調に「向いている人」と「向いていない人」』をまとめてみましたので最後まで読んでみてください。
快適エアリーを超簡単に解説
出典:セキスイハイム HP
CMでよく耳にする「あったかハイム」ですが、「快適エアリー」という商品が対象になっています。
で、その快適エアリーを超簡単に解説すると、
床下(基礎部分)に出力の大きいエアコンをつけて、床下から全館空調する
という、ひとむかし前の家からすると考えられないような、画期的なシステムです。
最近では、他のハウスメーカーでも全館空調を採用しています。
仕組みも、ほとんど似たり寄ったりで大差はないのではないでしょうか。
ちなみに
1階だけで快適エアリーを採用するなら、床下から空気を送るだけですが、2階や3階にも採用する場合は、配管が必要となるため費用も跳ね上がる可能性があります、参考までに。
快適エアリーの『メリット』と『デメリット』
ここでは、僕が感じた「快適エアリー」のメリットとデメリットを紹介します。
【メリット】
- エアコンの台数を抑えられる
- エアコンが見えないので部屋がシンプル
- 冬場の床が、そこまで冷たくならない
- 温度変化が少なく、快適に過ごせる
以下で簡単に一つずつ解説します。
■エアコンの台数を抑えられる
床下から各部屋への一括空調なので、エアコンを部屋ごとに揃える必要がないです。
エアコンを部屋ごとに揃えるとなると、それに付随して配管や室外機も必要になります。
また、エアコンの掃除やお手入れも一元化できる点はメリットと言えるのでは無いでしょうか。
■エアコンが見えないので部屋がシンプル
普通の人は、部屋にエアコンが有るか無いかを、それほど気にすることはないと思います。
とは言え、エアコンの存在感って結構大きく、エアコンが無いと部屋が広く感じることは確かですし、すっきりした印象になります。
■冬場の床が、そこまで冷たくならない
床下を温めているためか、冬場の床がめちゃくちゃ冷たくはなりません。
床暖房ほど暖かくは無いですが、裸足でも耐えられるレベルです。
(静岡県での話です)
これは隠れたメリットでした。
■温度変化が少なく快適に過ごせる
まさに快適エアリーの一番のメリットと言えるのでは無いかと思います。
LDKはもちろんですが、ヒートショックの起きやすい脱衣所などでも安心して過ごせるのは大きなメリットと言えるでしょう。
なお、空気が乾燥するかという点については、我が家では、加湿器を2台使用していますが、今までに乾燥が気になった記憶があまりないので、普通のエアコンよりも乾燥しにくいのかもしれません。
ちなみに「快適エアリー」というネーミングは嫌いじゃ無いです。
【デメリット】
- 導入費用が高い
- 電気料金が高い
- フィルターの掃除が面倒
- 床下浸水すると故障する可能性がある
- ガラリ(吹き出し口)が邪魔
以下で簡単に一つずつ解説します。
■導入費用が高い
我が家の場合は、諸事情あり個々の詳細な見積もりは無いのですが、「快適エアリー」の価格は110万〜130万円と言われています。
普通の18畳用エアコンなら、15万〜30万円ほどですので、やはり導入費用は高額ですね。
いくつも部屋があり、エアコンを何台も用意する場合を除けば、普通のエアコンの方が安く済みそうです。
故障などで買い換える事を考えると、シンプルに怖いです。
■電気料金が高い
快適エアリーは、基本的には出力の大きなエアコンです。
常に部屋を快適に保つためには、そのエアコンを常時運転しなくてはなりません。
よって、当然電気料金は高くつきます。
下の方で、実体験をもとに更に詳しく解説しています。
■フィルターの掃除が面倒
常に空調しているということは、当然フィルターも早く汚れていきます。
また、「ガラリ」と呼ばれる「吹き出し口」と「吸い込み口」は、床に設置されているために、ゴミや埃を吸い込みやすくなっていて、フィルターはすぐに詰まります。
2週間毎に「お知らせアラーム」が鳴り知らせてくれるのですが、お掃除めんどいです。
■床下浸水すると故障する恐れがある
最近のガチな豪雨を体験すると、床下浸水って他人事ではないと恐怖に震えています。
床下に高額なエアコンが設置されていると思うと、なおさらガクブルです。
セキスイハイムでは、割と基礎の高さが高めに設定されているため、床下浸水はしにくいとは思いますが、それでも心配はつきません・・・・。
■ガラリ(吹き出し口)が邪魔
先ほども出てきました、この「ガラリ」ですが、部屋の隅の方にはあるのですが、空気の出入り口ということで、当然ここに物を置くことはできません。
これって地味にストレスです。
なぜ必要ないと感じているのか
そんな快適エアリーですが、我が家がなぜ「必要なし」と感じているかを解説していきます。
■間取りとの相性
我が家の間取りを簡単に紹介すると、
- 土地が狭いので3階建て
- 1階 玄関・トイレ・約18畳のLDK
- 2階 寝室・風呂脱衣所・トイレ
- 3階 子供部屋×2
となっています。
そして、
「2階、3階は空調の効きが悪いからやめた方がいい」
との担当者さんの声もあり、1Fのみに快適エアリーの吹き出しをつけています。
しかも、「玄関」と「トイレ」は空調するのがもったいないとの事で、結局空調しているのは「約18畳のLDK」のみなんですよね。
・・・・はっ?!これは・・・。
「普通のエアコンでええやん!!」
そうなんです、LDKだけ空調するなら普通のエアコンで良かったんです。
1Fに、「和室」や「脱衣所」、「書斎」などがある場合は、快適エアリーと相性が良いかもしれませんが、我が家のようなLDKしかない間取りではマジで必要ないです、快適エアリー。
■そもそも床下を空調する必要ある
最近は電気料金が高いので、すごく感じていることがあります。
それは、
「そもそも、人が生活してない床下を空調するの無駄じゃない?」
って事です。
例えば、夏場はクーラーを使うと「冷気」は下に溜まるので、快適エアリーを採用していると当然、「床下が家中で最も冷やされている状態」になります。
もし普通のエアコンなら、「床上が一番冷やされている状態」のはずです。
つまりですよ、
冷やされている部分(高さ)が、一段低くなってしまっているんですよね。
我が家では、床下を何のために冷やしているのか・・・。
研究室とかなんですか。
逆に、冬場は床下で僕たちの知らない間に
「コンクリートからの無限冷気」
VS
「快適エアリーの高額暖気」
という、ムダな戦いが繰り広げられているわけです。
一番冷えている場所を温めるって、
「無駄じゃない?」
「冷えているところは、フタをしちゃった方がいいんじゃない?」
と最近は1日中こんなことを考えて過ごしています。
■電気料金が高い
夏場はともかく、冬場の電気代はビックリするくらい高いです。
下の写真は、今週の我が家の回路ごとの電力使用量です。
今週は電気代節約のために、快適エアリーを「キープモード」という全く暖かくないモードにして、石油ストーブ生活をしていました。
(快適エアリーは、床下からの冷気を抑えるためだけにつけている)
↑ マジで何のために・・・・
それでも、「エコキュート」を除けば一番の電力使用量なのです。
もしも、快適エアリーを普通につけたら、間違いなくエコキュートをブチ抜いて堂々の1位になるでしょう。
我が家の場合は、18畳のLDKだけなのでマシかもしれませんが、もっと広い家に住んでいる方はもっと電気代がすごいんだろうな・・・・って。
全館空調(快適エアリー)を採用する人、しない人
最後に、いったいどんな人(家)が全館空調を採用した方がいいのか。
また、採用しない方が良いのはどんな人なのか。
僕が思う特徴をまとめてみます。
■採用した方が良い人
- 平家など、1階に生活スペースが集中している人
- 電気料金を余裕で払える人
- 太陽光発電&蓄電池がある人
- 断熱性の高い家を建てた人
- 床下浸水になる可能性が限りなく低い人
■採用しない方がいい人
- 生活スペースが各階にある人(3階建など)
- LDKが2階にある人
- 建坪が狭い人(エアコンでOK)
- 電気料金を抑えたい人
- 床下浸水の可能性がある人
つまり全館空調を採用するのに最も適した人は、
『高台の土地で断熱性の高い平家に住んでいるリッチな人』
です!
まとめ
最後の方は、少し愚痴のようになってしまいましたが、ここまで電気料金が上がってしまった今、一般人が快適エアリーを導入するメリットはかなり低いと僕は思います。
「どうせ建てるなら最新の家を建てたい」という気持ちはすごくよくわかりますが、もう一度冷静に検討することをお勧めします。
ぜひ後悔のない家づくりをしてください!
【関連記事】
「セキスイハイムに2年間住んでみてリアルに感じている事」を書いてみました。
これから家づくりをする人に読んでほしいです。